甲状腺機能低下・亢進症

甲状腺機能低下・亢進について

甲状腺疾患には主にバセドウ病(機能亢進症)と橋本病など(低下症)があります。女性は男性の4~7倍多いです。

バセドウ病は疲労・発汗・動悸・頻脈・高血圧・体重減少・震戦・情緒不安・眼球突出など

低下症(橋本病)は疲労・冷え・皮膚症状・常に眠いなどの症状がございます。

北海道では甲状腺機能に不調のある方が多いという話もございます。海藻類の摂取量が多いことに寄与しているといわれております。

東洋医学的な対応の良いところは病名で対応せず症状にて対応することです。バゼドー病の方で動悸していても汗の出る方出ない方、痩せている方太り気味の方など10人が10人同じバゼドー病の病院診断でも10人とも体質は全く異なっております。個人個人に対してその体質に合わせて体質に合う漢方薬をご提供いたします。

東洋医学ではこれらの体質に合わせて漢方薬をご服用いただきます。

四診に加えお客様の体質・状態を鍼灸・中医学的考察を基にした独特の方法にてパソコンで分析し、プリントアウトしたデータから食養生・漢方薬ご服用についてお客様にご説明いたしましてお渡しいたしております。

ご興味のあるお客様はぜひご連絡・メールなどお問い合わせいただければと思います。

当店でも最近ご相談の多い甲状腺機能低下・亢進症について記述いたしました。

西洋医学的な分類と中医学的な分類について記述いたしました。

まず甲状腺機能低下症です。

甲状腺機能低下の素因をもたれる方は以外に多いです。

橋本病などは女性の10~20人・男性では40~50人に一人が要素があると言われております。

甲状腺機能低下症では初期症状では目立った症状がございません。

そのまま発見されず、症状が悪化していくことも少なくありません。

病院でも軽度であれば経過観察となります。

以下に甲状腺機能低下症の大まかな分類について記述いたします。

実際発見されないで日常を過ごされる方が多いです。

甲状腺機能低下症・原発性甲状腺機能低下症

甲状腺に原因があるものを原発性甲状腺機能低下症といいます。

橋本病・慢性甲状腺炎:甲状腺の腫れが出やすいため比較的発見されやすい。
ヨード過剰による甲状腺機能低下症
中枢性甲状腺機能低下症・下垂体機能低下症・TSH単独欠損症
先天性甲状腺機能低下症・クレチン病

初期には全く症状がございません。

これがこの甲状腺機能低下症の厄介なところです。

顔や手のむくみ・食べないのに太りやすい・便秘・毛髪が抜ける・物忘れがひどい・寒がる・月経血量が多い・疲れて動きたくない。朝が起床できないなどの症状が出やすくなります。

甲状腺機能低下症の対応

初期には声がしわがれ、アドレナリン刺激低下による眼瞼下垂・脱毛・皮膚の乾燥うろこ状・体重増加・代謝減少・物忘れ・知能障害・冷えなどの症状が生じやすいです。

甲状腺機能低下症は代謝が下がることが多いです。

東洋医学(中医学)分類では痰湿(たんしつ)、気血両虚(きけつりょうきょ)、脾虚(ひきょ)、気滞血瘀(きたいけつお)、腎虚(じんきょ)などに分類し対応いたします。

痰湿型の甲状腺機能低下とは

東洋医学(中医学)では大まかに時間の経過などにより体内に侵入した湿気が固まったものが痰、お身体に入り時間が経過しておらす固まっていない湿気を湿といいます。痰湿が停滞することで様々な悪い不定愁訴が生じます。痰湿タイプの甲状腺機能低下症の方は甲状腺機能低下症で出現する症状に合わせて、痰湿症状の一般的症状である太りやすい、お身体が重だるく、疲れやすく、めまい、浮腫み、冷え、帯下(たいげ、女性のおりものを指します)が多い、体温が低いなどの症状が出やすくなります。東洋医学(中医学)では祛痰湿(きょたんしつ)といい痰湿を取り除くことができる漢方薬などで対応をすることで症状の緩解を目指します。

気血両虚型の甲状腺機能低下とは

東洋医学(中医学)では大まかに気は目に見えないものでお身体の元気や活動の源を指します。血はよい血液を意味します。また気と血は同時に動く習性があると考えられております。気と血が少ない状態を気血両虚といいます。気血両虚の甲状腺機能低下症の方は甲状腺機能低下症により発生する症状に合わせて、気血症状の一般的症状であるめまい、立ちくらみ、疲れやすい、動悸、活動力の低下などの症状が生じやすくなります。東洋医学(中医学)では気血双補(きけつそうほ)という対応により気と血を補うことができる漢方薬などで症状の緩解を目指します。

脾虚型の甲状腺機能低下とは

東洋医学(中医学)では脾とは大まかに現代では存在しない臓器ですが、分類として食事から取り入れた栄養や必要成分を消化吸収させる消化器的なものとして考えられております。脾の働きにより前述いたしました気という活動の源とよい血を作りだすことができます。脾の弱った状態を脾虚といいます。脾虚タイプの甲状腺機能低下症の方は甲状腺機能低下症により発生する症状に合わせて、脾虚症状の一般的症状である少食、消化が悪い、疲れやすい、下痢しやすい、顔色が悪い、すぐに眠くなるなどの症状が出やすくなります。東洋医学(中医学)では補脾(ほひ)という対応により脾を元気にできる漢方薬などで症状の緩解を目指します。

気滞血瘀型の甲状腺機能低下とは

東洋医学(中医学)では気滞血瘀とはお身体の元気の流れと血の流れが何らかの原因で流れにくくなっている状況を意味します。気と血は絶えず同時にお身体を巡っているという考え方が東洋医学にはございます。気滞血瘀になると張って痛みます。気滞血瘀タイプの甲状腺機能低下症の方は甲状腺機能低下により発生する症状に合わせて、気滞血瘀の一般症状であるイライラや精神不安定・月経不調・心臓・肩・胸・背中・わき腹・下腹・下肢静脈など張る感覚の痛みが生じることがございます。良く甲状腺などが腫れて痛みが出ることもございますがこの分類に当てはまります。東洋医学(中医学)では理気活血(りきかっけつ)という気の流れと血の流れを流暢にできる漢方薬などで症状の緩解を目指します。

腎虚型の甲状腺機能低下とは

東洋医学(中医学)では腎は大まかにホルモンエネルギーを意味します。腎が弱った状態を腎虚といいます。ホルモンバランスなどの状態統制が取れにくい症状なども腎虚として考慮いたします。甲状腺はホルモンに関わる器官で腎に影響を受けることがございます。一般的に腎虚タイプの甲状腺機能低下症の方は甲状腺機能低下により生じる症状に合わせて、腎虚の一般症状である冷えやすく、小水が回数は多くても量が少なかったり、浮腫み、腰痛、耳鳴りなどの症状が出やすくなります。東洋医学(中医学)では補腎(ほじん)といい腎を補いホルモンバランスなどを流暢にできる漢方薬などで症状の緩解を目指します。

 

甲状腺機能亢進症

まず西洋医学的分類記述いたします。

甲状腺機能亢進症とは甲状腺ホルモンが高くなる病気をさします。甲状腺機能亢進症とは甲状腺ホルモンの合成分泌が過剰なものをいい、甲状腺ホルモンが高い状態を甲状腺中毒症といいます。

1:甲状腺機能亢進症、甲状腺機能中毒症
2:バゼドー氏病
3:無痛性甲状腺炎
4:亜急性甲状腺炎
5:妊娠期一過性甲状腺機能亢進症、妊娠甲状腺中毒
6:中毒性結節性甲状腺腫、機能性結節性甲状腺腫、プランマー病
7:TSH産生甲状腺腫など
8:甲状腺ホルモン不応症
9:薬剤・医原性甲状腺中毒症

などに分類されます。いずれも主な症状として多汗・疲れる・痩せる・食欲過剰・火照り・動悸・過剰代謝・暑さ過敏・頻繁な便通などがございます。

甲状腺機能亢進症(バゼドー氏病含む)の対応

甲状腺機能が亢進した状態をさします。

代謝が著しく亢進することにより、甲状腺腫・頻脈・脈圧の拡大・体重減少・食欲増進・不眠・多汗・疲労・過剰な便通・眼球突出・などアドレナリン過剰刺激による症状が多いです。

甲状腺機能亢進症は多彩な症状がございます。東洋医学(中医学)分類では視床下部・脳下垂体・ホルモンバランス系含めた調整機能を中心に体質分類し対応いたします。代謝機能の調整が重要です。当店では東洋医学(中医学)分類に個人の体質を当てはめて個人の体質に合致する漢方薬などをご提供することで症状の緩解を目指します。

東洋医学(中医学)分類では大まかに気陰両虚(きいんりょうきょ)、血虚血瘀(けっきょけつお)、腎虚(じんきょ)などに分類して対応していきます。

気陰両虚型の甲状腺機能亢進症(バゼドー氏病含む)

東洋医学(中医学)では気陰両虚とは元気の源である気と体液・消化酵素・ホルモン・血液など体内の必要な液体成分である陰が不足している状況を指します。お身体全体の元気が減り、乾燥状態が進みやすい状況を意味します。一般的に気陰両虚タイプの甲状腺機能亢進症の方は眼球突出などに合わせて動悸・口喝・痩せる・暑がる・疲れやすい・頻尿などの症状が発生することがございます。これは東洋医学(中医学)の気陰両虚の一般症状(口のどの乾燥・発汗・動悸・火照り・疲れやすい・痩せるなど)とほぼ同じとなります。東洋医学(中医学)では気陰双補(きいんそうほ)といいお身体の元気と陰(お身体の必要な液体体液成分など)を補うような漢方薬などをご服用いただくことなどで症状の緩解を目指します。。

血虚血瘀型の甲状腺機能亢進症(バゼドー氏病含む)

東洋医学(中医学)では血虚血瘀とはお身体にとってよい血液が少ないもしくは働きが弱く血流の流れも悪くなっている状態を指します。血が弱くなると全身状態が悪くなり血流の滞りなども生じやすくなる状態を指します。一般的に血虚血瘀タイプの甲状腺機能亢進症の方は眼球の痛み、心痛、強い凝りによる痛みなどと血流不全による出血傾向・血栓などに加え甲状腺機能亢進症で発生しやすい症状を併発いたします。東洋医学(中医学)では補血活血(ほけつかっけつ)といいお身体に必要な良い状態の血を補い血流を流暢にするような漢方薬などをご服用いただくことなどで症状の緩解を目指します。

腎虚型の甲状腺機能亢進症(バゼドー氏病含む)

東洋医学では大まかに腎とはホルモンエネルギー全般を指します。甲状腺もホルモンに関与する器官です。腎が弱った状態を腎虚といい甲状腺にも影響を与えることがございます。一般的に腎虚型の甲状腺機能亢進症の方は甲状腺機能亢進症で発症する症状に合わせてホルモンや泌尿器への症状が強く出ることがございます。東洋医学(中医学)の考えでは腎虚の症状は一般的に腰痛、頻尿、耳鳴り、髪の脱毛、骨の弱りなどがございます。これらの中でも頻尿などを訴えられる方が比較的多いと考えられます。東洋医学(中医学)では補腎(ほじん)といいお身体の腎を補いお身体のバランスを安定させる漢方薬などをご服用いただくことなどで症状の緩解を目指します。

上記の分類が全てではなく上記以外の分類や症状が複雑に合わさったものなど他にもございます。お悩みの方はぜひご連絡ご相談いただければと思います。